人に害をなす存在なのか…今も存在が噂される妖怪「魔女」





 現在放送中の「ゲゲゲの鬼太郎」第6シリーズでは新章が始まり、鬼太郎達日本の妖怪と西洋からやってきた妖怪軍団との戦いが描かれている。

 そんな西洋妖怪の中に敵側の幹部として大人の女性の魔女が、そして西洋妖怪から抜けて鬼太郎たちの手助けをする妹の魔女の二人が登場している。どちらの魔女もキーパーソンなのだが、原作の水木しげる氏の漫画では老婆で描かれるのが典型であるため、現代に寄せたデザインと言えるだろう。




 西洋で女性の姿をした妖怪の一例が『魔女』がであるのは間違いないだろう。その姿は普通、しわくちゃの老婆であり、わしっ鼻、が特徴的であり、大きな帽子か頭巾をかぶっている。箒に乗って空を飛ぶと言われており、悪魔と契約した結果、様々な魔法が使えるようになった。悪魔を中心に、『魔法使い』や『使い魔』と共に、サバトという悪魔の祭典を行い、踊りを踊ったりもする。

 『使い魔』として黒猫や虫、コウモリなどを駆使して人間をスパイし、悪巧みに使う。また、森の奥に小屋を構えており、そこで大きな鍋を使って数々の材料を煮込み、魔法のスープを作り出すなどの姿が典型だろうか。

 中世には『魔女狩り』という弾圧が行われ、無実の女性が『魔女』として強引に認定され、火炙りになっている。この悪の権化のように言われている『魔女』だが、実際にはキリスト教とは違う、古い土着の信仰に基づいた生活者だという説もある。




自然にある薬草などを使った治療や自然と調和した生活を行っていたのがウィッチドクターこと『魔女』の原型であり、必ずしも悪党ではないという意見もある。また、人の出産や生死に密接に関わる産婆に対する神秘性等も「老婆の姿をした魔女」のイメージの形成に一役買ったのではないかとする説も存在している。一般の人が知らない経験に基づいた知識を持つ女性に対して抱かれる畏敬の念が『魔女』を生み出したとも言えるのだ。

 さて、アフリカでは今も『魔女』がおり、実際に魔法を使ってるとされている。だが、このような話はアフリカでも田舎の話かとおもいきや、都市部でも盛んであり、サッカーの試合で『魔女』が相手をチームに呪いをかけたり、ライバル企業の業績を落とすために経営者が『魔女』に呪いを依頼することがあるそうだ。案外今でも『魔女』は我々の身近にもいるのかもしれない。

(山口敏太郎/田中尚 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

イメージ画像©PIXABAY

 

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