はじめてお便りいたします。大阪府在住のサラリーマン、56歳男性、Tと申します。
私自身は、霊感のほうは全くダメで、感度が鈍く、幽霊もUFOも見たことがありません。
ひとつだけ、ちょっと気持ちの悪い体験があるのでお話します。40年近く前、学生時代の出来事です。
ある日のこと、私は自宅で新聞を読んでおりました。当時購読していたのは、読売か産経か覚えてませんが、たぶんそのどちらかで、おそらく朝刊です。
読者の投書欄に目が留まり、その日は「怖い話、体験談」みたいな特集でした。こんな特集を組むくらいなので、季節は夏の盛りだったと思います。
いろいろな投稿がある中、ある女性の話に興味を惹かれました。ざっくりした内容はこうです。
「ある日、子供にせがまれて、幽霊の絵を描いた。するとその晩、瞼が腫れぼったく、痛みを感じた。これははじめての経験ではない。幽霊の絵を描くと必ず瞼が腫れるのだ。もう幽霊の絵を描くのはやめよう」
と、それだけの話なんですが、私は隣でテレビゲームをしていた弟に、「これ読んでみろ」と新聞を渡し、感想を聞きました。
「おもろい。やってみよう」
早速、私たちは鉛筆で、折り込みチラシの裏に幽霊の絵を描きました。
瞼が腫れるのですから、お岩さんに違いないと思って、できるだけリアルにお岩さんの顔を描きました。
描き終えると、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てました。そうして自分のやったことをすっかり忘れていました。
その日の夜です。
台所で母が夕食の準備をしていました。こちらに背を向けて流しの前に立っています。振り返った瞬間、私は、あっと声を上げました。
片目がお岩さんのように腫れあがっていたのです。
「どないしたんや」
「廊下の柱でぶつけたんよ」
私はよほど感度が鈍いのか、そのときは、母の腫れあがった顔とあの幽霊の絵が、リンクしませんでした。
「災難やったなあ。冷やしときや」
ぐらいのことを言って終わりだったと思います。
ぞっとしたのは、寝床に入ってから。
『あの絵だ、あの丸めて捨てたお岩さんの絵が原因だ!』
それ以来、幽霊の絵は描かないようにしています。
以上、私の持ちネタではこれが一番怖い話です。怖い話は好きですけど、自分ではあんまり体験したくないほうなので、幽霊もUFOも遠慮してくれるのか、ご紹介できるような不思議話しは少ないです。
家族や友人から小ネタを集めて、また投稿したいと思います。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 Tさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用