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【秘伝】弘法大師一夜の石仏 「片手観音」三方石観世音

福井県若狭町に、弘法大師が一晩で彫り上げたとされる石観音がある。

石観音はひとつの大きな花崗岩に刻まれた観世音菩薩であり、延暦年間は桓武天皇の時代に草創されたとされているので、弘法大師が入唐される以前の作ではないかとみられている。

ある夜、この地に滞在していた弘法大師が観世音菩薩の霊像を彫刻していると、岩の上から鶏の時を告げる声が聞こえた。あとは仏像の右手首より先を彫るのみであったが、その鳴き声を耳にした弘法大師は、仏像を彫る手を止めて下山してしまったという。そのため、この石観音は別名『片手観音』とも呼ばれている。




そして、この時鳴いたとされる岩が鶏鳴石である。

鶏鳴石は妙法石とも呼ばれ、参道の中央にある。表面に『妙法』と彫られた大岩の上に、三十センチほどの鶏の石像が載っている、かなり大きな岩だ。

この鶏鳴石は江戸時代、正徳年間の元旦にも参拝者の前で声高らかに鳴いたため、伝説は本当であったとしてこの石を鶏鳴石と呼ぶようになったという。

なお、本尊である石観音は秘仏のため、一般公開は十五年に一度となっている。次回のご開帳は平成38年とかなり先であるが、境内の写真や資料でその御姿を見ることができる。




石観音は片手のみが未完成であるためか、手や足の怪我や病気に御利益があるとされており、現在でも信仰篤く木で出来た手や腕、足の型が幾つも奉納されている。

北陸新幹線が石川県まで開通した現在、よりアクセスしやすくなっているので、興味のある方は参詣してみてはいかがだろうか。

※写真は若狭町HPより

(黒松三太夫  ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)