洞窟の先に異世界を見た!?仁田忠常の「人穴」伝説

アメリカはアーカンソー州の洞窟にて、10日より中に散策に入った日本人留学生二人と、案内役だった現地の男性が行方不明になるという事件が起きた。現地の警察や消防が捜索を行った所、12日に入り口から30分程度進んだ所で行方不明になっていた学生らを発見。全身泥だらけだったものの、奇跡的に無傷であったという。

鍾乳洞など、自然の洞窟は観光地化されているものを除くと、思った以上に広くあちこちへ枝分かれして広がっている事が多い。暗闇の広がる地下では距離感や方向感覚も麻痺してしまう。僅かな方向や分岐の間違いが予想もしない奥地へ繋がっている事もあり得るため、今回彼らが早々に見つかったのは幸いであった。

さて、洋の東西を問わず、地下に広がる洞窟を見て、昔の人は「この穴の中を進んでいったならば、どこにたどり着くのだろう」と考えた。その結果、地下深くに広がる異世界の神話や伝説が生まれる事となった。

だが、中には伝説などではなく、実際に地下に潜って不可解な体験をしたという記録が存在している。




静岡県には「人穴」という富士山の噴火でできた溶岩洞窟が存在している。非常に長く奥深くまであるため、昔は江ノ島と繋がっている、と言われていた。

この「人穴」に対し、源平合戦で活躍し源頼朝と源頼家に使えた仁田忠常は頼家の命令で人穴に入り、奇妙なものを目撃したという伝説が存在している。なお、共に入った部下たちは帰ってこなかった。

仁田忠恒が人穴で見たものは、以下の通りだ。

・おびただしい蝙蝠の群れ。中には白い蝙蝠もいたという。
・無数の蛇が絡みついてきた。
・雷音とも大勢が鬨の声を上げたようにも聞こえる轟音が地下から響いた。正体は不明であったが、阿修羅のものではないか、としている。
・真っ暗な中に人のすすり泣く声が響いた。
・冷たい川が流れており、その対岸に不思議な姿の人がいた。その人を拝み、剣を川の中に投げ入れた所、人物が消えて帰ることが出来た。

初めは普通の洞窟でも見られそうな内容だったが、途中から不可思議な現象が起き始め、最終的には奇妙な人物と遭遇するに至ったようだ。

果たして、彼が見たものは何だったのだろうか?

なお、人穴はこのように昔から伝説や信仰の舞台になっていた事もあり、現在でも人穴富士講遺跡として現地を訪れる事が出来る。興味のある人は、足を運んでみてはいかがだろうか。

※画像:月岡芳年『新形三十六怪撰』「仁田忠常洞中に奇異を見る図」

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)





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