昭和の珍事件簿「中野区の弁当つまみぐいバリケード事件」

古くから「食べ物の恨みは恐ろしい」と言われている。

「食に対する恨み」は話している本人はそれこそ鬼気迫る勢いでまくしたてるが、聞いている方はいうと大抵しらけるかプッと吹き出して相手を怒らしてしまう事も多い。

今回は高校生達が巻き起こした食べ物にまつわる、笑えて泣けるちょっといい話を紹介したい。

1974年(昭和59年)9月30日、東京都中野区の武蔵丘高校で昼休み前にA君が同じクラスのB君の弁当を無断で食べ、これを聞いたB君の親友C君が怒ってA君を殴りつける事件が発生した。

この件をうけ、学校側はB君とC君を3日間の自宅謹慎に処した。

しかし、この処分に憤慨した生徒数十人が学校側に処分の撤回と謝罪を要求。

あげくのはてに生徒が校舎をバリケード封鎖する事態にまで発展する事件になる。

このバリケード封鎖はなんと10月3日~10月8日までの計4日間行われ、当然授業は中止、全校集会が開かれることになった。

とりあえず平和的に解決しようという事になり学校側は封鎖中の生徒に「生徒総会で話し合おう」と持ちかけ、生徒側は要求を吞んだ。

翌日から授業は無事に再開。10月12日には予定通り生徒総会が行われるものの、封鎖した側の生徒の要求は否決され、学校側の処分が正しいと認められてしまった。

これはまるで「ど根性ガエル」の世界である。

食べ盛りの高校生のイタズラが巻き起こしたこの事件。

「弁当つまみぐい事件」というネーミングからしてちょっと可笑しい事件だが、生徒たちの行動はとてもホットで感動的な話である。食べ物の恨みも怖いが、若者の友情パワーも見方によっては怖いものなのだ。

文・取材:穂積昭雪 イラスト:いらすとや





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