予言

【実話怪談】携帯電話

 川崎市在住のKさん一家が帰省で九州に帰る事になりました。

 その日は飛行場に向かう道も何故か混んでましたし、仕事のストレスも随分と溜まっていて、Kさんはいつになく苛立っていました。

 その時、突如Kさんの携帯電話が鳴ったのです。

 「はい、もしもしKですが」

 「いくぞ、いくぞ」

 「あんた、何言ってるんだ」

 「いくぞ、いくぞ」

 携帯はそのまま切れました。どうやらイタズラ電話のようです。この忙しい時にばかにしやがって・・・。Kさんはますますイライラしてきました。

 すると、また携帯が鳴ったのです。今度は助手席の奥さんが受けたですが、今度は何も言いません。

 「俺に貸してみろ」

 Kさんが奥さんの手から電話をひったくると、相手はまたこう言うのです。




 「いくぞ、いくぞ、いくぞ、いくぞ」

 「さっきからなんだおまえは!ばかにしやがって」

 そう言うと、Kさんは携帯を切りました。そして今度は電源すら切ってしまったのです。

 「もうこれでいたずら電話はかかってこないだろう」

 Kさんがそう言った瞬間、また携帯の呼びだし音が鳴ったのです。恐怖に怯える奥さんを抑え、Kさんは今度ばかりは神妙になって携帯に耳を近づけました。

 そして、また相手はこう言っています。

 「いくぞ、いくぞ、いくぞ、いくぞ」

 Kさんは大声でこう言いました。

 「ああっ、来いよ、いつでも来いよ」

 そう言うと電話は相手の方から切れてしまったのです。

 そのあとに聞いた話なのですが、Kさんの実家に山なだれが襲ったのはちょうどその電話のあった時刻だったそうです。

(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)