素手で体内から患部を摘出!?「心霊手術」とは何だったのか

 一人の人間がベッドの上に横たわっている。どうやらこの人物は原因不明の腹痛など、幾つかの病気に悩まされているらしい。

 やがて医師と見られる人物と、アシスタントが患者の元に近づき、患者の腹部を露出させ一方の手で患部を撫でる。そして、もう一方の手を近づけると、指が患者の腹部に潜り込んでいくのである。そして、患者の腹部からは大量の血が流れ出すが、患者は痛みを感じている様子はない。医師が処置する前に麻酔も何も行っていないにも関わらず、だ。やがて医師は原因とみられる臓器の一部らしきものを患者の腹部から素手で摘出する。そしてタオルなどで腹部を撫でると、あれほど出血していたにもかかわらず、患者の腹部には傷一つ残っていないのである。




 これが「心霊治療」ないしは「心霊手術」と呼ばれるものだ。実際の医師というよりも霊能者が行うとされるものであり、良いオーラを送って体調を良くさせるという「手かざし」等と似たものであると考えられている。1980年代頃までには日本でもその映像がテレビで放送された事もある。にわかには信じがたい現象であるが、この心霊手術で実際に病状が回復してしまった人も多数存在しているという。

 心霊手術の場合は手かざし等と違って、実際に血や摘出した臓器などが存在している。人の肌に傷を付けることなく、素手でこのような治療を行う事が可能なのだろうか?




 実際には、この心霊手術は手品の一種だと考えられている。手の中に血糊と動物の内臓などを隠し持っておき、患者の体に触れながら血糊の量を調節して出していく事で、あたかも開腹手術が行われているように見せかけているというのだ。また、人間の腹部は非常に柔らかいため、大人の握り拳ぐらいならば潜り込ませる事が可能である。同時に手で患部に触れる事でマッサージと温熱療法の二つが加えられる事になり、プラシーボ効果も手伝ってストレスなど精神的な理由から生じた病状であれば、心霊手術で回復してしまうこともあるのではないかとみられている。

 一時期「心霊手術」は世界的に注目を集めたが、現在ではあまり見ることもない。恐らくこれらのトリックが明らかになった結果、廃れてしまったのではないかと見られている。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

心霊手術




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