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「暴れん坊将軍」の隕石墜落エピソードは実話だった!?

2015年9月14日テレビ朝日で早朝に放送されている「おはよう時代劇」の内容について「ドラマがあまりにぶっ飛んでいる」としてネットが騒然とする騒ぎがあった。

この日放送されたのは松平健主演の時代劇シリーズ『暴れん坊将軍』。

ご存じ、八代将軍・徳川吉宗がめ組の三男坊に姿を変え、悪を成敗していく人気シリーズであるが、実は暴れん坊将軍には「江戸に隕石が落ちてくる」というSFテイストのお話が存在する。




とは言っても別に吉宗公が刀を振り回して隕石を追い払うという話ではない。この描写は第9部第19話「江戸壊滅の危機! すい星激突の恐怖」で描かれた。

メインのストーリーは、空から星が落ちてくるいう噂で江戸が大混乱となり、どさくさにまぎれて御三家の尾張徳川家が政権を奪取するために暗躍し吉宗公が戦う・・・という隕石以外は割といつもの『暴れん坊将軍』の話であった。

なお、隕石は時代劇ではめったに使うことのないCGによって処理され、隕石が江戸に落ちてくる シーンの作りこみよう、

爆発の派手さ加減はまるで『仮面ライダー』や『戦隊シリーズ』を見ているようである。

この回の脚本のあまりの飛びっぷりはファンの間でも語り草になっているという。

ちなみにドラマのなかで江戸に落ちると予測されていた隕石は幸いにも江戸を離れ、現在の八王子近辺に落ちたと説明がなされていたが、実はこの描写については史実に基づいたエピソードであったことは意外と知られていない。

江戸時代に書かれた記録「桑都日記」「武江年表」には1817年12月29日に八王子に隕石が墜落したという記録が残されている。

隕石は全長90センチのそこまで大きくないものだが当時、回収された隕石は幕府の天文方に送られたもののすべてが行方不明になってしまっているという。

また、史実の徳川吉宗(1684年~1751年)も歴代の徳川家将軍のなかではもっとも天文学に明るい将軍だったようで八王子隕石騒動のときに生まれていれば『暴れん坊将軍』のような立ち回りをしていたかもしれないのだ。

「江戸壊滅の危機! すい星激突の恐怖」は人気作のためか、数年周期で再放送がされているので気になる方は『暴れん坊将軍』の再放送を絶えずチェックしよう!

文:穂積昭雪