約100年前の天変地異「ツングースカ大爆発」現場は今

今から108年前の1908年6月30日、シベリアのエニセイ川支流であるツングースカ川上流にて、大規模な爆発が起きた。その爆発は「空から飛来した火の玉」によって引き起こされ、周辺約2150平方キロの森が破壊された。

爆発の衝撃は凄まじく、1000キロ離れた地点にある家の窓ガラスが割れ、爆発の際のキノコ雲も数百キロ先から見ることが出来たという。

ツングースの大爆発

この爆発が起きた当時は日露戦争直後であったこと、当時の国内情勢が不安定だったことに加え、人があまり住んでいない所であったこともあってなかなか調査はなされなかった。正式な調査が行われたのは1921年、鉱物学者レオニド・クーリック博士らを中心とした科学アカデミーによる調査団が結成されてからのことだった。




調査の結果、複数の衝撃音が連続して聞こえたことと、爆発直後は森で火災が発生した。

木々は衝撃で焼けたり折れただけではなく根こそぎ倒されているものも多数存在していたこと、また木の倒れる方向は皆同じであったこと等が判明した。

ツングースカの爆発跡は、上空から見ると羽を広げた蝶のような形状をしている事が解ったため、爆発跡は「ツングースカ・バタフライ」とも呼ばれた。

また、落下地点では新種・奇形の生物が発見されたり、成長が止まる、ないしはその逆で成長の促進や肥大化も確認された。

当初からツングースの爆発は規模の大きさから隕石の落下ではないかと見られていたが、肝心の隕石自体が見つからなかった。




そのため落ちてきたのは核の大半が氷である彗星説、宇宙から異星人の乗り物が飛来し墜落、爆発したUFO説まで出てきた。しかし、2013年に微小の断片が泥炭層より発見され、分析の結果地球上に存在せず、宇宙由来の物質とおぼしき鉱物が複数検出された。これにより、ツングースカの爆発はやはり隕石の衝突によるものであることがほぼ確定となった。

恐らく、大気圏突入時に隕石が分裂してより小さくなってしまったため、クレーターなどが出来なかったと見られている。

現在でも、ツングースカの爆発が起きた場所は地図等で見る事ができる。グーグルマップでは、爆発のあった地点のみ、今でも木々の生え方が他と違う荒れ地となっている。隕石衝突の影響は100年経っても消えていないのだ。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

ツングースカ

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