1999年ノストラダムス予言の恐怖の大王、その正体は「iモード」だった!

予言や予知に関する話題は相変わらず多いが、予言ブームの原点とも言えるノストラダムスの予言に関しては最近はあまり話題にも挙がらなくなった。

その一番の理由は、何と言ってもノストラダムスの予言の中でも最も有名な予言が外れたからということになるのであろう。




『1999年に人類が滅亡する』、1973年に刊行された五島勉の著書「ノストラダムスの大予言」は大ベストセラー、翌年には映画化もされて大ヒット。

多くの人々がこの予言を信じて恐怖した。

81年生まれの筆者もこの予言を知った時は、自分は高校2年生までしか生きられないか、と愕然としたことをよく覚えている。

結果的に、1999年に人類は滅亡しなかった。

これにより、ノストラダムスの予言は外れたということになり、最近でも大災害や人類滅亡にまつわる予言の話は時折話題になるが、ノストラダムスという名前が出る機会はほとんど無くなった。

だが、本当にノストラダムスの予言は外れていたのだろうか? そもそも、ノストラダムス自身は「1999年に人類が滅亡する」などとは一言も言っていない。

五島勉の著書の中で、人類滅亡の予言として紹介されたのが、こちらである。

「1999年 7の月 空から恐怖の大王が降ってくる アンゴルモアの大王をよみがえらせ その前後の期間 マルスは幸福の名のもとに支配するだろう」

人類滅亡などという言葉は全く存在していないし、4行目では「その前後の期間」という言葉まで使われている。その前後、つまり1999年7月の先のことまで語っているのである。これを人類滅亡の予言として解釈するのはどう考えても無理がある。

また、実はノストラダムスは息子セザールに宛てた手紙の中で、3797年までの未来を予言したとも書いている。




ノストラダムスが本物の予言者だったかどうかは別にして考えても、ノストラダムス本人も少なくとも3797年までは人類は滅亡していないと考えていたのだ。

当然、多くのノストラダムス研究家やオカルト研究家も1999年に人類が滅亡することは無いと考えていた。

つまり外れたと断言できるのは、ノストラダムスの予言ではなく、五島勉氏の予言解読のほうだったのである。

では、1999年に空から降ってきた「恐怖の大王」とは何だったのか?

筆者の仮説として、iモード説を唱えてみたい。

インターネット自体はそれ以前から存在していたが、携帯電話からもインターネットが気軽に使えるようになったのは1999年にiモードが登場してからなのである。

誰もが気軽にインターネットを使えるようになったことで、テレビも映画も出版もテレビゲームも、インターネット以外の娯楽は全てダメージを受けたと言っても良いだろう。

インターネットは便利だが、これにより経済的な打撃を受けた人間も多いはずだ。

また、匿名掲示板での批判や、もはや日常的に起こっているネットの炎上事件。有名人に限らず、一般人も発言や周囲の目を今まで以上に気にしなくてはいけない世の中になるキッカケを作ったのが恐怖の大王(iモード)だったのである。

やがてネットから、ヒーローのような存在(アンゴルモアの大王)が生まれ、彼が新しい世論を作っていくことになるのではないだろうか。

~その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配するだろう~つまり、ノストラダムスの1999年の予言は、まだ完結していないのだ!!

……このように、今でもノストラダムスの予言を解釈して楽しむことは出来そうだ。

ノストラダムスを過去の人扱いしたりせずに、皆さんもノストラダムスの予言を見て、まずは楽しく解釈してみては如何だろうか?

文:中沢健(作家・UMA研究家)




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