【芸能都市伝説】「仕事がない!」生活苦の脇役俳優S、子供を無理心中…

以前、ATLASでは「昭和ドス黒エンタ」と題して、生活に困窮した俳優Aが身代金目的で子供を誘拐殺人という記事を掲載したが、今回はこちらの事件とほぼ同時期に発生した、俳優による殺人事件をご紹介したい。

1965年11月8日、東京都目黒区のある一軒家で47歳の中年男性と4歳の子供のふたりが風呂場で死亡している姿で発見された。

死んでいたのは、この家の主である島田勇と彼の長男だった。島田はガスを吸い窒息死した状態で、長男は何者かに首を絞められた跡があった。亡骸の第一発見者は島田家へお手伝いにきていた家政婦だという。




死亡した家主の島田は「島田屯」という芸名で活動している俳優で、脇役として多くの映画やテレビドラマへ出演していた。知られた作品には宇津井健が主演した映画『松川事件』(監督:山本薩夫)のほか、テレビ草創期に大人気を博したNHKの帯ドラマ『バス通り裏』などに出演したが、役名がつくような大役にはほとんどキャスティングされない悲運の俳優人生を送っていた。

目黒署の調べによると、島田屯は1965年夏頃から俳優のオファーが無くなり徐々にノイローゼ気味になっていったという。島田は芸能生活だけでは食べることが困難で、彼の妻は山梨県甲府市へと出稼ぎで家を空けていたために、4歳の子供と二人で生活をしていた。

しかし遂に俳優としての不安定な生活に限界を感じ、ついでに人生にも疲れてしまった島田は人生に絶望し自殺することを決意する。

島田は、11月7日深夜、妻および事務所宛に「仕事を探したがうまくいかない。息子を殺して、自分もガス自殺をする」といった遺書を書き残した。

その後、島田は寝ている長男の首を絞めて殺害。その後、島田は死んだ長男を連れて風呂場へ行き正座してガス栓を捻り死亡したという。

二人の遺体が発見されたとき、長男の手には「すまない。パパは疲れた」という内容の紙切れが握らせれていたという。




島田が死んだ1965年は、前年のオリンピック好景気から一気に不景気へ後退した時期で、その不況は映画界にも波及、島田のような脇役の中年俳優は一気に仕事が無くなってしまった時期だといわれている。

現在、俳優・島田屯が出演した映画やドラマは数作を除いてソフト化されることはなさそうだ。ただし、もし貴方が古い映画を鑑賞したとき、クレジットに「島田屯」の名前を発見する機会があれば、不遇の末に息子を巻き込み死を選んでしまった脇役俳優のことをほんの少しは思い出して欲しい。

(文:穂積昭雪  ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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