【都市伝説】「痩せる薬」(6)

【都市伝説】「痩せる薬」(5)より続く

警察の話によると、心臓に病がある人が発作を起こしたり、意識障害を起こしてこのような姿で発見されることはあるとのことだった。だが、Oさんの場合はそのどちらでもなかった。

あまりに熱い風呂が引き起こした全身にわたる重度の火傷が死因だったという。普通、火傷を起こすほどの湯につかっている事は出来ないはずなのだが、Oさんは煮えたぎる湯に入り続けていたのではないかとのことだった。




さらに不可解なことに、Oさんが死んだのは1日目の深夜から明け方にかけてだったという。その話を聞いて、Yさんは恐ろしくなった。

最初に風呂場に呼びかけた時に、Oさんの声を聞いていた。あの声は何だったのかと考えると、恐ろしくてたまらなかったという。Oさんが異常な行動をしているのも、きっとOさんが飲んでいたあの薬が関係しているのではないかと思った。

Yさんはまだあの薬を飲んでいなかったので、警察に調べてもらおうと思い渡した。結果が出たら連絡すると言われていたそうなのだが、連絡はなかったという。

それ以来、Yさんは様々な事が変わってしまったのだという。それまでの生活が急にバカらしくなってしまったようで、すぐに販売員の仕事も辞めた。その後、結婚して現在は主婦になり、当時とは比べられないほどに落ち着いた生活をしているという。




そして最後にOさんはこんな風に語った。

「大好きだった鍋物とかシチューとかは食べれなくなりましたね。特に骨付きの鶏肉とかが入っているやつはダメですね。やわらかくなった肉が骨からするっと取れる感触があの時のことを思い出させるんですよ」

(終わり)

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY

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