油盗人が死んで妖怪になった「油赤子」、油にまつわる妖怪たち

 油赤子は江戸時代の絵師、鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」にて紹介されている妖怪。身分が高い人が寝ている側で、短い髪の子供が行灯の皿から油をなめている様子が描かれている。

 絵の隣に書かれている説明文によれば、むかし滋賀県大津市に夜ごと地蔵の常夜灯の油を盗んでは売りさばいていた油売りがおり、彼の魂は死後火の玉となって迷い出たという。

「しからば油をなむる赤子は此(この)ものの再生せしにや」と続くことから、江戸時代に広く伝わっていた滋賀の怪火の話を元に、鳥山石燕が創作した妖怪ではないかと考えられている。

 油をなめる妖怪は他にも幾つか存在している。例えば遊女の姿をして夜な夜な油をなめる「油嘗め」という妖怪がいるが、こちらは客が取れず油を消費するだけの遊女を指して「遊女の油なめ」と呼んでいた事から来る言葉遊びから生まれた妖怪だとされている。

 改めて絵を見てみると、油赤子の侵入している部屋も豪奢な造りであり、上等な寝具にくるまって寝ている人物も女性であることから、こちらの「油なめ」の要素も取り入れて創作された物ではないかとする説もある。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 鳥山石燕 『今昔画図続百鬼』より「油赤子」



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