不気味な爪痕を残す幼女の妖怪「すじかぶろ」

 すじかぶろは江戸時代の絵師、勝川春英の『異摩話武可誌』にて紹介されている妖怪である。

 奈良の遊郭で、夜な夜な赤ん坊の泣き声がしたため、不思議に思った主人が屋敷を調べた所、やせ細った見たこともない幼女が現れたという。この幼女は客が帰ったあとの座敷に入っては残り物の酒の肴にかぶりつき、やがてどこへともなく消えていったという。

 夜が明けてからよく見てみると、座敷や廊下のあちこちに昨晩の幼女が付けたと思われる筋状の爪あとが残っていたという。

 遊女付きの少女はその髪型から「禿(かぶろ)」と呼ばれており、この怪しい幼女は「筋を残す禿」と言うことで『すじかぶろ』という名が付けられたという。

 この話にはすじかぶろの想像図らしき絵も付けられているのだが、大きな頭に皺の深く入った茶色く干からびたような肌、鼠のような出っ歯と短い髭が生え、ぎょろぎょろした目に着物をひっかけただけの、どう見ても「幼女」とは言えない奇怪な容姿の妖怪が描かれている。手足にはかぎ爪が描かれているが、この爪で遊郭中に筋を残したのだろうか。

(加藤文徳 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©写真素材足成




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