半殺しにされた恨みから妖怪となる「手負蛇」

蛇は昔から非常に執念深い生き物であると考えられていたため、もし捕まったりして半殺しにでもされようものなら、必ずその仕返しをするためにやってくると考えられていた。

例えば草むらに追い込んで棒で打った人には毒気を吹きかけて病気にし、頭を打ち落とした人には釜に毒を入れて中毒にさせるという。

そんな蛇の執念深さに関するエピソードは、江戸時代の書物「絵本百物語」にて妖怪の話としても紹介されている。




「絵本百物語」では「手負蛇」と題されて紹介されており、挿し絵にも寝所にやってきた蛇が毒気であろう気炎を吐いている様子が描かれている。蛇の様子は所々皮膚が裂け、骨までもがむき出しになっているので、相当に恨みの感情を抱いているものだと推測できる。

挿し絵の横に書かれた文章によれば、蛇が目当てにしていた人物は蚊帳の中にいたためその日は難を逃れたようだが、翌朝になってみると蚊帳の周りには血が点々と落ち、一部は「あだむくひてん(=仇 報いてん)」と読めるような形になっていたとされている。

(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)




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