鬼が鍛えた名刀「鬼神大王波平行安」

 北陸の糸魚川周辺に残る伝説に、以下のような話がある。

 ある所に一人の老刀鍛冶がいた。彼には美しい娘がおり、求婚が絶えなかったが老鍛冶師は娘婿となる者も刀鍛冶でなければならないと考えていた。

 そんなある日、一人の若者が娘に求婚してきた。そこで老鍛冶師が一晩で刀を鍛えることが出来るのならば認める、と言った所、若者は絶対に作業を覗かないことを言い含めて鍛冶場へ篭った。

 翌朝になってみると、素晴らしい出来栄えの刀が完成していたため、老鍛冶師は娘と若者の結婚を許した。




 老鍛冶師のもとで働くようになった若者だったが、相変わらず自分の作業場を見せようとはしなかった。そこである日、老鍛冶師と娘が鍛冶場を覗いてみると、そこには口から火を吹き、手で飴のように鉄を曲げて刀を鍛える鬼の姿があった。
 翌日、老鍛冶師は若者に暇を与えた。娘と老鍛冶師の様子を見て、正体がバレたことを悟った鬼は一振りの刀を残して去った。

その刀には、「鬼神大王波平行安(きじんだいおうなみのひらゆきやす)」と銘が刻んであったという。

(山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)




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