呪術

メキシコの人形島

メキシコの首都であるメキシコシティーの南方にあるソチミルコ。同所には「人形島」と呼ばれる島がある。アステカ帝国時代には、生け贄の心臓をえぐっていた場所であり、死者の魂の集まる場所と言われている。

また、この島は、木々に1000体の人形が吊されている状態で、不気味な雰囲気を醸し出している。この島を「人形島」にしたのは、ドン・ジュリアン・サンタナという男であった。




そのきっかけとな る事件は1949年に発生した。湖でボート遊びをしていた少女が水中に落下し溺死した。その後、サンタナは、溺死した少女の幽霊を目撃する。恐怖にとらわれたサンタナは少女の供養のため、先住民の呪いを封印するため、島中に人形を吊し始めたのだという。

人形を使った儀式は世界中にある。例えば、我が国の習慣である「てるてる坊主」などはその代表的事例である。これは人型の「てるてる坊主」に天気になれと願いを込めているのだ。

また、「呪いの藁人形」も同様である。これはヒトガタ に呪詛を込めているわけだ。他にも子供の成長を祈る「五月人形」など、人形やヒトガタを使った願掛けや結界は多々確認されている。

「人形島」も無意識のうちに呪詛を行い、結界を構築していたものだったのだろうか? サンタナの最後は悲惨であった。少女が溺死した場所で、2001年に溺死体で発見された。




サンタナは人形供養の効果もなく、少女の幽霊に呪い殺されてしまったのであろうか。

なお、人形を集めていたサンタナが死亡した後も、この島の人形は増え続けているという。何者かがサンタナの行動を真似ているのだろうか?真相は明らかになっていない。

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(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

画像@PIXABAY