孤島に潜み、漂着者を襲う【吸血巨人】

 中国の民話や伝承には、孤島に住み人を襲う巨人の伝説が残っている。

 この巨人は南方の海上にある孤島に住み、常に誰かが漂着して流れ着くのを待ち構えているという。




 身の丈は9メートルもあり、見た目は穏やかな仙人のような姿をしているのだが、本性は恐ろしい魔物である。

 人間の生き血を好物としており、人の首をねじ切って血をすする。一度に30人もの人間の血を吸って殺すことができたとされている。

 初めは礼儀正しい態度で島を訪れた者をもてなし、誘いに乗った人間達を巨大な洞窟の奥にある自分のすみかに招待する。



 しかし、この洞窟に入ったが最後、大きな石で出口をふさがれてしまうので、巨人から逃れるためにはそもそも誘いに乗らず、島から脱出することが被害に遭わないための最大の防衛策だという。

 中国の伝説には人間を襲い、食う凶暴な妖怪が出て来る事が多いが、巨人が人間を洞窟に閉じ込めて食べようとするくだりなどは、ギリシャ神話やほか欧州に古くから伝わる人食い巨人の伝説に近い所もある。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

画像©PIXABAY

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