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一度発見されながら歴史に埋没した幻の島「中ノ鳥島」

日本の周辺には一度発見されながら、その後確認できない幻の島がある。それが中ノ鳥島である。

 1907年(明治40年)に、この島は山田禎三郎が発見し、上陸して測量まで行っている。報告書によると、島は外周 6.7km、面積 2.13km²、サンゴ礁と思われ植生もあり、アホウドリのものと思われる鳥の糞が積もって構成されたリン鉱石も確認できた。1908年には政府によって日本領に編入され海図にも組み込まれたが、それ以降この島は再発見されていない。




 戦後地図からは排除されたが、何故再発見されないのであろうか?発見者・山田禎三郎の勘違いなのか?融資を集めるための虚偽報告の可能性もあるとされている。また、南鳥島と勘違いした説、新硫黄島という沈没と隆起を繰り返す島であるという説も唱えられている。

 さらに韓国でも伝説の島・波浪島=パラン島というのがある。東シナ海或いは日本海にあると韓国が主張しているが未だ発見されてない空想上の島である。

 伝承によると、このバラン島は遭難した漁師たちが住んでいるとか、行くと帰ってこれないとか、普通は海中にあるが荒れた天候の時に姿を表すとか、民俗学上でよく言われる”海の向こうにある理想郷の島”であった。

 本来、伝承上の島・理想郷なのだが、1951年に行われたサンフランシスコ講和会議にて、韓国駐米大使・梁裕燦が韓国の領土として外交文書を提出している。だが、波浪島がどこなのか論理的に説明出来ず、面積や位置というアメリカから出された質問に答えることができなかった。結局、アメリカ政府はラスク書簡において、波浪島を韓国領とする主張を退けている。




 その後も懲りず、韓国政府は1951年に東シナ海の暗礁(蘇岩礁)を波浪島と比定しており、中国と領土紛争になっている。

 やはり、伝説の島は心の中にしか存在しないのだろうか。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

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