【月の上の巨人マングィス】

 シベリアのエニセイ川源流域に居住するトゥバ族の伝説には、マングィスという巨人が登場する。

 彼は巨大な体と複数の頭を持ち、大きな口で獣であれ人間であれ、何でも飲み込んでしまったという。

 このままではいずれ生き物がみなマングィスに食べられてしまうと思った生き物たちは、天の支配者であるグルムストゥに「巨人のマングィスにく轡(くつわ)をつけてください」と頼んだ。すると、グルムストゥは「マングィスを月にある島に運んで鎖に繋げなさい」と答えた。




 果たしてマングィスは月に幽閉されることになったのだが、3ヶ月に一度、15日に鎖から解き放たれ、月と闘って地上を暗闇で包むという。
 トゥバ族は月が次第に欠けて暗くなる月食をマングィスという巨人が月を飲み込もうとしている、と考えたようだ。

 その名残か、トゥバ族には月食の際に鉄を叩いて「俺の月を放せ」と叫ぶ習わしがあるという。

(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)








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