美しい女性の顔を持ち人間を誘惑する、奇妙で凶暴な怪物「 ラミア」

ギリシャ神話には美しい女性の上半身と大蛇の下半身を持つラミアという怪物が登場する。

ラミアは凶悪な怪物のテュポーンと女怪エキドナの間に生まれた怪 物の一体で、その美貌と魔力で人間の男性を引き寄せ食い殺したという。




これはあくまで神話であるが、実際に伝説のもとになったであろう怪物が生息している、と中世ヨーロッパの人々が書物に残している。それによると、 リビアには人間の女性そっくりの顔と乳房を備えた猛獣がいたという。

顔は人間に似ているが蛇のようなシューシューという声しか発することができず、体はまるきり獣であった。後足はヤギ、前足は熊に似ており、全身はドラゴンのように固く厚い鱗で覆われているという。

陸の獣の中で最も足が早く、獲物は逃げることができない。また人間の男を見つけると、その胸を見せつけて引き寄せ、獣の本性を露にして食い殺すのだという。




生息場所はリビアの海岸近く、砂漠のように広大な砂地が広がっている所で、難破などで人がこの海岸に訪れた場合、怪物は人間の様子を注意深く観察して隙を見計らって食べてしまうという。

恐らく豹等の猛獣に関する話が伝わっていくうちに怪物へと変節したものと思われるが、中世ヨーロッパではこの怪物も伝説のラミアと習性が似ているとのことで、ラミアと呼ばれていたのだという。

(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)




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