妖怪退治の伝説が残る 渡辺綱の石灯篭(北野天満宮)

 平安期、凶悪な妖怪達を退治したことによって、その名を知らしめた武将が存在した。

 源頼光に仕え、頼光四天王の筆頭とされた渡辺綱である。彼の逸話は数多く存在する。京都市上京区に現在する一条戻橋に、夜更けに美しい女が佇んでいた。彼女は渡辺綱を見つけると、夜が更けてしまい恐ろしいので屋敷まで送ってくれないかと頼んだ。綱は怪しいと思いながらも、頼みを引き受け、女を己の馬へと乗せた。

 すると、女は鬼へと姿を変え渡辺綱の髪を掴んで空高く跳躍するが、彼は自分の髪を掴んでいた鬼の手を切り落として退治した。他にもある。大江山に住まう酒天童子という鬼は、平安の都に悪さをし、都の民達に絶えず恐怖を与えていた 。それを見かねた源頼光は渡辺綱を遣わせ、酒天童子を退治させたという話もある。




 この様に、裏の世界でも様々な功績を残している渡辺綱に縁のある石灯篭というものが存在する。それは一体、渡辺綱とどういった関係があるのか。実は先述した鬼の手を切り落とした伝説には続きがある。己の髪を掴む鬼の手を切り落としたのは良いが、それによって彼の身体は地上へと落下してしまった。

 しかし、そこには北野天満宮の廻廊があり、その屋根によって綱は一命を取り留めることができたのである。不意の災難を乗り切り己が無事であったのは、北野天満宮の加護があったからである。そう考えた渡辺綱は、礼の意味もこめて北野天満宮へと石灯篭を贈ったのだという。

 最近災難に見舞われ続けている方は、渡辺綱の加護、引いては北野天満宮の加護を授かるため訪れてみるのも良いかもしれない。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

※画像は『神社百景DVDコレクション 5号 (北野天満宮 伏見稲荷退社)』表紙より

北野天満宮




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