改心した鬼の角を祭る寺 徳島県鳴門市「鬼骨寺」

妖怪といえば古来より恐怖の対象として語られ、昔話では悪役を務めることも多いが、語り継がれていくうちに人々に親しまれ、愛されるようになり、時には信仰の対象となっていくこともある。徳島県鳴門市の鬼骨寺(きこくじ)もそんな伝説を持つ古刹だ。

縁起によれば、当寺は空海が薬師如来を本尊として創建したもので、はじめは東海山薬師寺と号していた。この地にはいつからか親子4匹の鬼が住み着いており、近隣の村人らに害をなしていた。ところが建永2年、浄土宗の開祖・法然が讃岐配流を命じられてこの地へ流れてきた。鬼たちは初め法然を襲おうとしたが、法然に仏の道を諭され、今まで自分たちが犯してきた所業を悔いて、浄土に生まれ変わるべく崖から身を投げた。村人たちは鬼の遺骨を境内に埋葬し、寺号も現在の鬼骨寺へと変えたと言われている。




この話自体はよくある高層伝承の一例なのだが、元禄年間に本堂を修理したところ、床下から実際に鬼の骨と思われる謎の獣骨が発見されたのだ。現在はこの鬼の角や縁起が描かれた絵巻が寺宝として祀られている。原則非公開だが、事前に連絡すれば見せてもらえる事もある。

長年鬼を鎮めてきた本尊の薬師如来は霊験あらたかで比類なき癒しのパワーがあると言われている。参詣の際は鬼たちへの慰霊も込めてお祈りするとより効果的かもしれない。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

空海




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