超常現象番組で出演者は内容や超能力者をどこまで知っているのか?【後編】

(*前編から続く)

これもまたアマチュアの懐疑論者が知ったかぶりで指摘することだが、出演者は全員、ビデオのインチキ具合や、登場する自称超能力の演出に関してグルだという批判がある。

残念ながらこれは事実ではない。筆者は様々な番組に出ており、いろんな芸能人と交流があるが、彼らからグルになったという話は聞かない。これはプライベートでこの件を尋ねても全員が異口同音の発言で、とても彼らが嘘をついているようには思えない。また、現場のスタッフもアメリカで人気のあるエンターテイナーにオファーするだけで、敢えてその真偽やトリックには言及していないようだ。




つまり、自称超能力のショーに関しては誰もグルになっておらず、ぶっつけ本番で撮影していることが多い。しかし、誰も頭から信じている出演者はおらず、収録時には誰もが鵜の目鷹の目でトリックを見破ってやろうという雰囲気が蔓延している。ある意味、自称超能力者は衆人が監視の中でマジックをやるのだから、真剣勝負に近いと言える。

ここ数年は本物の超能力者が日本のテレビ局に出演するのは、少なくなってきている。本物の超能力者という概念は難しいが、少なくともその人間が彼ら彼女らの本国でサイキッカーと呼ばれていることが最低条件なのではないか。

CGビデオにお付き合いして、自称超能力者にも優しく対応するぐらいなら出演をしなければ良いのでは、とアマチュアのオカルト研究家から忠告されたことがあるのだが、それには理由がある。番組スタッフたちも気を使ってくれて、『CG丸出しビデオに賛同しろとは言いません。黙っていてくだされば構いません』 『あの超能力者のコーナー、トリックを見破る楽しさで取り組んでくれれば』 という感じで言ってくれるのだ。

ここまで配慮されたなら、普通の社会人ならば、大人の対応をするのが日本人の常ではないか、彼らも少しづつテレビ業界を変えていきたいとは思っているのだから。演者や専門家もグルにする露骨なヤラセ番組以外ならばなるべく協力したいと思っている。

あと正直に言うならば、テレビに出れば本も売れ、自分の知名度も上がるからである。これは消費者心理である。同じような内容の本を比べた際、人間は知っている著者を選ぶものではないだろうか。 我々物書きは、自分の家族や事務所スタッフだけではなく、自著を編集してくれた編集者やデザイナー、営業マンなど多くの命運をかけて戦っているプロである。一冊でも売り抜くために、ありとあらゆる手段をとらねばならないと思っている。

その為にはテレビ出演は欠かせない。また、テレビは知名度アップにも使える。幾らオカルト界のインチキを糾弾し、真面目な番組づくりを訴えても無名な人物の主義主張は無視されてしまう。一連の『マツコの知らない世界』でのインチキビデオ暴露が視聴者に対して少なからずインパクトを与えたのは、オカルト作家の中で知名度があった山口敏太郎の主張だったからだと、少なからずの自負はある。




オウム事件のような悲劇を繰り返さないために、オカルトを作り込まれた健全なエンタメにするのが山口敏太郎の理想だ。同時に各学会を横断する形で真面目なオカルト研究を確立するのも夢のひとつだ。そのためには、自分の理想とテレビ業界の現実との差を少しづつ縮め、自分の知名度を使って業界を軌道修正していくつもりだ。

このように山口敏太郎が絶妙なバランス感覚でオカルトに対するメディアの姿勢を変えつつあるのに、番組の放送された部分だけを取り上げて、足を引っ張ることが正義であると思い込んでいる知ったかぶりな懐疑論者や、台本通りにしか喋らない間抜けな専門家がいる。このような人間たちと対峙していくため、これからはオカルト業界内部との熾烈な戦いになっていくはずである。

今後は、読者諸兄や視聴者のみなさんの応援がさらに必要になると切に感じている。山口敏太郎の戦いにぜひ賛同願いたい。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)




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