【妖怪ウォッチ研究序説】幻を見せて人間を襲う 女性の姿をした蜘蛛の妖怪「絡新婦」と「女郎蜘蛛」

※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。

妖怪ウォッチ2にて登場した蜘蛛の妖怪「女郎蜘蛛」。江戸時代の文献などにも登場する有名な妖怪であり、ゲーム中の大百科では「毒のスペシャリスト。ケーキに毒を入れたり毒口紅によるキスなど女子力が高い作戦を好むがれっきとした、男性である」と説明されている。

しかし、実際の絡新婦(女郎蜘蛛)は当然雌の蜘蛛の妖怪とされている。妖怪ウォッチで「男性」とされてしまったのは、同じ古典妖怪で蜘蛛の妖怪である「土蜘蛛」の色違いであり、外見がどう見ても女性に見えなかったためとみられる。




本来の妖怪の『絡新婦』は美しい女性の姿をしているものの、夜は巨大な蜘蛛の本性を現して男を殺してしまう恐ろしいものだ。

『宿直草』にはこのような話が伝わっている。

ある若い侍が旅をしていて、里から離れたお宮で夜明かしすることになった。やがて深夜になった頃に、若い女性が赤子を抱いて現れた。女性は赤子に「あれが父様ですよ」と言って近寄らせるが、侍が睨むと赤子は下がってしまう。そんなやりとりを繰り返すうちに、焦れたのか女性が進み出た。そこで侍が切り付けると、女性は小さく悲鳴を上げて天井裏に上がっていった。朝になって、天井裏を覗いてみると石塔と大きな蜘蛛の死骸、大量の人骨があった。初めの赤子はこの石塔で、焦って斬りつければ刀が折れ、丸腰で蜘蛛の怪物に襲われる所だったのだ。

(黒松三太夫  ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)




関連記事

最近の投稿

プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

ページ上部へ戻る