青梅・天ケ淵から浮上してくる”青い人間”

 青梅には「雪女」や人に覆いかぶさるムササビのような妖怪「てんまる」、上半身だけで出てくる妖怪「ムジナ婆」、雨の日に竹藪に出現する「カネダマ」など多くの妖怪伝説が残されている。

 妖怪と言えばこういった昔ながらの伝承に出てくるものを想像するかもしれないが、中には近年になって新しいものが目撃されるケースも存在しているのだ。

 青梅にお住まいのHさんは、山口敏太郎の妖怪ツアーにも参加してくださるほどの熱心な読者である。実はHさんの家族は霊感が強く、今までも何度か不思議な体験をしている。




 今から十年前、(現在は大学生の)Hさんの息子が子どもの頃、奇妙なモノを目撃した。青い人間、まるで河童のような生物を目撃したのだ。Hさんの自宅は天ケ瀬淵という多摩川の淵の真横に建っている。
 現在でも水を青々と湛えている淵ではあるが、かつては地元の高校の水練にも使用されていた親しみやすい淵である。唯一不気味なのは、流れの関係で多摩川の上流で溺死した遺体はこの淵に流れつくという。

 ある日の事、駐車場にてHさんの奥さんと息子さんが車から降りたところ、淵から全身緑色のヒトガタが浮かび上がってきた。奥さんには見えなかったが、息子さんにははっきりと見えたという。

「なんだ、あれは」

 息子さんは呆然としてそいつを凝視していた。まるで、そいつはまるで飛ぶように崖を(すーっと)登り、駐車場の近くまで接近してきた。

「お母さん、早く家に入ろう」

 怖くなった息子さんと奥さんは自宅に逃げ込んだ。
 今、大学生となった息子さんが回想してみると、やや黒かったような印象もあるという。
 実は高校生である娘さんも奇妙な物体を見ることがあるらしい。ある日、自宅でお風呂に入っていると、奇妙な物体が浴室に入ってきた。

 入道のようなごついおっさんの頭部である。しかも、半透明だ。

(えっ)

 驚いたJAさんはその頭部を観察した。すると左右縦に二個づつ目玉がある。

(目玉が四つもある)

 びっくりしたJAさんが凝視していると、そのおっさんの頭部は

『おまえ、見えてんの?』

 と言わんばかりに(じろり)と睨み返すと、そのまま壁を通過し、外へ出て行った。




 この逸話は、筆者が行っている青梅の妖怪まちおこしの協力者である地元の議員さんのご家族が実際に体験したものである。
 近年目撃されている謎の怪人UMAに、全身が青色で半透明の「ブルーマン」というものがあるが、彼らが目撃したのもそうだったのだろうか?

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

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