【妖怪ウォッチ研究序説】浮世絵に姿があるけれど、本当は近年の創作だった!?「ガシャどくろ」

※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。

妖怪ウォッチ2にてボス妖怪として初登場した、非常に大きなガイコツの姿をした妖怪・ガシャどくろ。

ウラナ

恐ろしい姿とは裏腹に、巨体をかがめて小さなガチャガチャを回す姿はどこかユーモラス。ガシャどくろの攻撃はガチャガチャから出たカプセルによって変化するのだが、金色の「レア玉」が出た時は喜んで「レア玉キタキタの舞」を踊ったりする。

味方妖怪から見れば大ダメージに加え、混乱にまでさせてくるやっかいな必殺技なのだが。

このガシャどくろにはモデルが存在する。非常に大きなガイコツの妖怪で名前も同じ「がしゃどくろ」というものだ。




昔、行き倒れで亡くなった人たちの白骨が集まり、全長10メートルはあろうかという巨大なガイコツの姿になったものだ。体を構成する骨は動くたびにがしゃがしゃとぶつかり合って音をたて、夜中に歩く人を見つけると握りつぶしてしまうという。

しかし、この話は江戸時代の絵師・歌川国芳の浮世絵「相馬の古内裏」を元に昭和の作家が作成した創作である。

「相馬の古内裏」は源平合戦で敗れた平家の姫、滝夜叉姫が主人公の英雄に妖術でガイコツの群れを召還するシーンがあるのだが、国芳はガイコツの群れを一体の巨大なガイコツとして表現した。この迫力のある絵から考え出された妖怪ががしゃどくろなのである。

(黒松三太夫  ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)




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