日本で一大ブームを巻き起こした、ダン・ブラウンの小説を原作とする『ダ・ヴィンチ・コード』から、大学教授ロバート・ラングトン教授を主人公としたシリーズの3作目『インフェルノ』が公開された。

今回の作品では、人口の超過問題をウィルスの拡散で解決しようとする科学者との対決が描かれる。このウィルス拡散を食い止めるヒントが、ダンテの長編叙事詩『神曲』<地獄篇>などに隠されている…というストーリーになっている。

 ここで出てくるダンテの『神曲』はキリスト教の教えに加え、それ以前、ギリシア文明やローマ帝国など古来よりヨーロッパ人が抱いてきた死生観に基づく地獄や死後の世界のイメージがたっぷりと描きこまれている。




 この『神曲』によると、ダンテは、古代ローマの詩人ヴェルギリウスに導かれて地獄の旅に出ている。

 このヴェルギリウスは、イエス・キリスト生誕以前に生れたため、キリスト教の洗礼を受けていないため、地獄の責め苦はないものの、希望もないまま永遠に無為な時間を過ごすという『第一圏』、俗に『辺獄(リンボ)』に軟禁されていたのだ。ほかにもホメロスら古代の大詩人らと共にヴェルギリウスはここで暮らしていたのだが、今回ダンテの案内をかって出たのだ。

 地獄に行くのは『地獄の門』を通らねばならない。一説によると、フレンチェの町の近くに『暗黒の森』という悪魔が跳梁跋扈する場所があり、この森の奥に地獄につながる『地獄の門』があり、門には”この門をくぐる者、すべての望みを捨てよ”と書かれているのだ。

ウラナ

 この門を通過すると『アケローン川』が見えてくる。この川には、冥府の渡し守『カロン』という者がおり、いやがる亡者を櫂で追いたて、舟に乗せて地獄へと運んでいくのだ。

 この川を渡ると、第一圏から最下部の第九圏まで分かれた九つブロックがあり、亡者たちは、三つの邪悪「放縦」「悪意」「獣性」に照らしあわし、一番適切な地獄に放り込まれる。

 地獄そのものは、北半球の地下に円錐をさかさまにした形で広がっており、深い部分には『巨人の井戸』があり、かつて神に反乱を起した巨人たちが、鎖で大穴に繋がれているのだ。

 最深部の第九圏は「コキュートス」と呼ばれ、神を裏切った堕天使『ルシフェル』=サタンが永遠に氷の中で幽閉されている。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)





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