「子供を殺人鬼にしないために」





某二世タレントの事件から「子育ての正解・不正解」が話題になる昨今、子育てに正解などないが、不正解はあると私は考える。

子供を殺人鬼にしないために、今回は子育ての不正解例をご紹介しよう。

ハンニバル・レクターのモデルの1人でもある、360人以上の殺人を行ったと自供していた著名なアメリカの殺人鬼ヘンリー・ルーカス。彼は母親から、まさに不正解の教育を受け殺人鬼になったといえよう。

ルーカスは1936年8月23日、売春婦をしていた母・ヴィオラと、泥酔して電車に轢かれ両足を失った父・アンダーソンの間に生まれた。

しかしルーカスは、望まれた子ではなかった。

母は、娘が生まれれば売春が出来ると考えていたため女の子が欲しかったのだ。

ヘンリーが男児であったことに母はひどく失望した。

母・ヴィオラはヘンリーが女児でなかったことに諦めがつかず、なんとヘンリーの髪にパーマを当て女装をさせて学校に通わせることにした。思春期の男の子に女装をして学校に通わせる、立派な虐待である。




ヘンリーはこの他にも様々な虐待をヴィオラから受けながら数奇な幼少時代を過ごした。

ある時はヘンリーが可愛がっていたラバを「あのラバが好きかい?」と尋ね、ヘンリーが頷いた直後に眼の前でショットガンで射殺。

またある時には、ヘンリーに自分の売春現場を間近で見せ、行為が終わった後いきなりお客の股間めがけてショットガンを発射。相手は即死、側にいたヘンリーは、大量の返り血を浴びたという。

「お前は死ぬまで私の奴隷」「あんたは悪魔から生まれた生き物なのだから、当然あんたは悪魔なのだ。」「あんたはこの世に地獄をもたらすために生まれてきた」と、ヴィオラはヘンリーを罵倒し続けた。

加えて、ヴィオラとアンダーソンの夫婦仲も悪く、ヴィオラはアンダーソンとヘンリーを暇さえあれば角材で頭を殴りつけていた。

そして極め付けに、ある冬の日、ヴィオラは、夫を車イスごと外に放り出す。その結果、夫は肺炎を起こし死亡した。

そんな狂気に満ちた母を、ある日、ヘンリー自らナイフで喉を切り裂いて殺害。彼は実母を殺し、殺人鬼となることで母から解放されたのだ。

しかし、彼自身は「母ヴィオラが本当に死んだ」とは思ってはいなかった。なぜなら、彼には刑務所の中にいても母・ヴィオラの「自殺しろ」という声が聞こ続けたという…

彼が殺人鬼になったのは間違いなく母親の教育の賜物といえよう。

読者の皆さんも子供を殺人鬼にしないよう、どうか正しい教育を。

(鵙屋 まみ ミステリーニュースステーションATLAS編集部)





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